ETRURIA(エトルリア)の民族(3)
(34)ETORURIA蛇の頭部のある銀のレベス:BC7世紀第一四半期
パレストリーナ、コロンベッラ、墓地、ベルナルディーニの墓、イタリア
(39)写真(35)ETORURIAパテラ(拡大)
黄金伝説展(18)に続き、展示品・写真(35)パテラ(エトルリア)の図案を精査します。エトルリアの民族はBC8世紀に、どこからやって来たのか?その情報を写真(35)パテラと写真(34)蛇の頭部のある銀のレベスは語ります。「戦い(勝利)の女神」の下で、「野ブドウ」を右手に、左手に「葡萄酒用の壺」を持って踊っている、エトルリアでの「森の神・Silvano dio delle selve」ですが、左手を見ると同じ部族が征服されています。踊る「森の神」と征服された同族が、同じパテラに描かれているのです。不思議な光景です。ただこのパテラには、写真(40)・「ブドウ」と「ナツメヤシ」の樹も描かれているので、類推することができます。つまり、実際の「ブドウ」の収穫は「野ブドウ」ではなく、品種改良された「ブドウの木」からなされていたことです。そうすると、ブドウの原産地であるジョージア(グルジア)に古くから住み「葡萄酒」を作った部族は伝説上の「森の神」であり、儀式的に「野ブドウ」と伴に描かれたようです。そして、そのジョージア(グルジア)に住んでいた子孫は、このパテラを作った部族に征服されたと考えれば、この不思議な構図も理解できるのです。
エトルリアの、写真 (27)カルロ・ルスピによるタイクィニア、トリクリニオの墓・葬祭絵画複製画(BC470年頃)の葬祭絵画も儀式的な表現なので、「野ブドウ」を描いたと考えられます。
(40)(35)パテラ(拡大)
(41)石製の小箱;国立アルメニア歴史博物館蔵
埋もれた古代大国の謎・幻の国ウラルトゥを探る(岩波書店)