形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

トピックス(9)「イシュタル」の表象(3-2)

 

 イシュタルの表象・「手」(2)

様々なhamsaの源流

 

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(4)Wedding Contract

 jews MOROCCO; MERELL

 

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(5)Wedding Contract

  jews MOROCCO; MERELL

 

モロッコ(Morocco)のユダヤ人は民族の歴史を表象として持っているようです。「MOROCCO jews and Art in a Muslim Land」(Vivian B. Mann; MERELL)の本は、ユダヤの古代表象に溢れ、表象の成立過程を見ることが出来ます。写真4,5を見て下さい。「雨」の表象「手」が「対」で現れています。その他の表象も「対」で現れるのは、単に結婚契約書と言うだけでなく、「Ⅱ」が「平衡」の概念を表すことを考えるべきです。(参照)「平衡」とは「バランスのとれた自然界の状況」を表し、「豊饒」の原義(同じく、バランスのとれた自然界の状況)は「平衡」の概念から生まれたと考えられます。

 

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(6)「手」に表された表象;和久ノート

 

「手(雨)」には「平衡」の表象・「Cheveron」が見られ、下部には「▽(女神)」と「渦巻き(生命の誕生)」そして「四弁花(平衡)」があり、すべて合わせると「雨による平衡の女神+ヴィーナス」になります。モロッコのユダヤ人が結婚の誓いを立てる神は、「手(雨)」の表象で表される「雨による平衡の女神」でした。モロッコのユダヤ人だけでなく、私達も誓い(宣誓や約束など)を立てる時、「イシュタルの手」の表象と同じように、「手」を上げてはいませんか?現代でも「手(雨)」は「聖なる誓い」には必要な表象となっています。

 

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(7)Menorah(6枝の燭台), papercut,Morocco,1,900年頃

   jews MOROCCO; MERELL

 Menorah(6枝の燭台)はHanukia(8枝の燭台)と併せて説明します。6枝と8枝には重要な意味があります。モロッコのユダヤ人の表象はすべてが論理的に、複雑に絡み合います。長い歴史を感じます。

そしてMenorah(6枝の燭台)のペイパーカットの一部写真に現れた「手(雨)」の表象は、手のひらが三角形に三等分されています。「手(雨)」と「▽(女神)」で「雨の女神」を表しているのですが、この表象の作り方は、論理的なモロッコのユダヤ人を考えると、重要なことを教えてくれます。それは「手(雨)」の表象として最もよく見かける写真(3)Mains d'argent、Amulet for a newborn sonに現れる「六芒星(ヘキサグラム)」の意味です。考えてみましょう。

 

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(6)Amulet for a newborn son

  jews MOROCCO; MERELL

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(5)Wedding Contract

  jews MOROCCO; MERELL

 

モロッコ(Morocco)のユダヤ人は民族の歴史を表象として持っているようです。「MOROCCO jews and Art in a Muslim Land」(Vivian B. Mann;MERRELL)http://blog.hatena.ne.jp/blogwakujewelry/goddess-wakujewelry.hatenablog.jp/edit#

 

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