形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

「羽子板、扇」が導いたこと(10)酉の市 ;氷川神社

f:id:blogwakujewelry:20150918133422j:plain

(1)Razor;Final Bronzu age

Prehistoric Metal Artefacts From italy(3500~720BC) in British Museum(推薦本 )

f:id:blogwakujewelry:20150921142917j:plain

(2)石包丁形式別分布図

<ビジュアル版>世界の歴史「文明の誕生」講談社

f:id:blogwakujewelry:20150921143358j:plain

(3)Late Stone Age artefacts from the Armstrong Collection from Bambata,Zimbabwe

Catalogue of Stone Age Artefacts from  SouthernAfrica in The British Museum

f:id:blogwakujewelry:20150914193217j:plain

(4)縄文土偶ガイドブック;三上徹也:分銅形土偶

賀茂政所遺跡・岡山市、足守川矢部南向遺跡・岡山市(弥生中期)

岡山県教育委員会所蔵

f:id:blogwakujewelry:20150712143859j:plain

(5)縄文土偶ガイドブック;三上徹也:分銅形土偶

八王子貝塚 愛知県西尾市(縄文後期)

西尾市教育委員会所蔵

f:id:blogwakujewelry:20150712125010p:plain

(6)精華堂あられ総本舗;黄金餅セット

f:id:blogwakujewelry:20150921145325j:plain

(7)縄文土偶ガイドブック;三上徹也(推薦本):土製円盤(目切遺跡・長野県岡谷市)土器片偶(花鳥山遺跡・山梨県笹笛市)

 

「 分銅型土偶」という呼称は「キプロス・銅インゴット型(四隅突出墳墓型)」と紛らわしいので、縄文後期に現れた(5)を「黄金餅型土器片偶」、弥生中期に現れた(4)を「豊饒の女神型ナイフ」と私は呼ぶことにします。「ミミズク土偶」と同じ時期、縄文後期の八王子貝塚・愛知県西尾市に現れ、八ヶ岳南麓(「羽子板、扇」が導いたこと(2);地理上に一本の線)に広がっていった「黄金餅型土器片偶」の最北の地は井戸尻遺跡・富士見町と書きましたが、どうやら間違いの様です。(7)の「土製円盤」、「土器片偶」も「黄金餅型土器片偶」と同じ土器製の「石刃」でした。壊れた、又は壊された土器片を磨いて作ったのは、繰り返し火に掛けられて強度がましていたからだと思います。三上徹也氏の「縄文土偶ガイドブック」によれば、岩手県花巻市の「立石遺跡」までも471点の「土製円盤」が出土したそうです。そして、「酉の市」の縁起物「黄金餅型」にこだわるのは穀物の「キビ」と関わりがありそうだからです。黄金色の餅とは「キビ餅」であるはずです。そして、「JA愛知東」のHPなどの情報と併せると、「地理上に一本の線」は「黄金餅型土器片偶」の道であり、「キビ」の伝来と関係がありそうです。「キビ餅」は徳川家康の生まれた「三河」から「奥三河」の縁起物として伝えられたようです。もちろん、約千年経って、「吉備国」・(キビの国)と呼ばれた土地は「黄金餅型土器片偶」の儀式用「豊饒の女神型ナイフ」が見つかった地です。

 ここで「石刃」の歴史を見てみることにします。特に「細石石刃」に注目します。

BC5~3万年前、東アフリカと南アフリカのサバンナ(スティルベイ系文化)の狩猟採集民は、サバンナに自生す小麦、モロコシ、トウジンビエ(クスクス、ウガリの食材)などの雑穀を刈り取るため、「細石石刃」を使い始めます。(3)Late Stone Age artefacts from the Armstrong Collection from Bambata,Zimbabweの画像です。よく見ると、「方形直線刃」、「半月形直線刃」、「三角断面直線刃」などが特徴です。(2)「石包丁形式別分布図」は1984年の発行ですが、最近の情報と照らし合わせてもあまり変化はないようです。「Veesar Valley Project・パキスタンー日本考古学共同調査隊」のレポートでは東南アジアやオーストラリアでは古い時代の細石器は発見されていません。そして、2011年にはイラン西南部で4万年前の細石器がみつかっています。つまり、(2)「石包丁形式別分布図」に見られる広がりは発見による変化がないようです。黄河上流の「うち欠きのあるもの」、「長方形直線刃」に始まり、黄河中流域での「半月形直線刃」を加えての集中、更に「三角断面直線刃」を伴って北と朝鮮半島への伝播です。ここで、もう一度(2)「石包丁形式別分布図」をよく見てみましょう。面白いことが分かります。

f:id:blogwakujewelry:20150924192123j:plain

(2)「石包丁形式別分布図」

無理やり拡大したのでぼやけています。左下の文字は上から、「うち欠きのあるもの」、「長方形」(長方形直線刃)、「紡錘形」(三角断面直線刃)、「半月形直線刃」、そして「半月形外磨刃」です。解りましたでしょうか?「半月形外磨刃」(白抜き半円)はいきなり長江河口域に現れるのです。そして朝鮮半島と日本へ伝搬されています。このルートなら神の島「沖ノ島」を経由して朝鮮半島と日本へ伝搬された可能性が高いと思いませんか?いずれにしても「半月形外磨刃」が印刻された青銅製のナイフが発見されたイタリア(地中海文明圏)を精査する必要があります。また長江河口域に栄えた「良渚文化」との関係も見逃せません。このことは、後ほど精査しましょう。

f:id:blogwakujewelry:20150918133422j:plain

(1)Razor;Final Bronzu age

Prehistoric Metal Artefacts From italy(3500~720BC) in British Museum

 

 

 

 

 

© 2019 JOJI WAKU Blog. All rights reserved.