形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

[鬼走り」・「鬼まつり」から見えたこと(1)

 

神の食べ物「柿」;柿の種、鶏頭と石包丁

 

「柿」が「神の食べ物」になった時と場所は、「Chevron(Cheveron仏古語)」された「石刃(石包丁)」と「柿の種」が出会った時と場所と想定できます。ずばり、エトルリアです。その二つの形の類似関係に「鶏頭」も加わります。そしてそれらすべて「CONCARENA]イタリア・「夜明けのゴルゴン」(参照1)、

(参照2)に繋がります。私はエトルリアに伝播した「柿」の原産地は「野ブドウ」と同じコーカサス地方だと考えています。「柿」の産地、アゼルバイジャンでは今でも、「柿」と「ナツメヤシ」は同じ言葉で「Xurma]と呼ばれています。同じような「豊饒の食べ物」だった訳です。ちなみに、アゼルバイジャンの「Azar]はペルシャ語で「火」を意味します。「拝火儀式」が始まった土地だと考えています。

 また、よく言われてはいますが、「柿」が日本からイタリアに伝播したことは、ないでしょう。イタリアでは「柿」は「Caco」、複数形で初めて「Cachi]になります。日本ではその複数形が呼名になったわけです。日本の「柿」がイタリアに伝わったなら、「寿司」、「蕎麦」と同じように、単数形・複数形はなく「Cachi]のみが呼名になったはずです。

 

 

f:id:blogwakujewelry:20151218002604j:plain

(6)ETORURIA(エトルリア)の鶏頭;「Chevron(Cheveron仏古語)」された石刃(石包丁)表象と鶏頭(拡大)

 

f:id:blogwakujewelry:20151218002730j:plain

 (7)Impasto vase ;エトルリアのアルファベットが彫られている。(BC7C.)

THE ETRUSCANS;Thames & Hudson

 

f:id:blogwakujewelry:20160313194558j:plain

 (2)結晶片岩製石包丁;弥生遺跡:唐古・鍵遺跡の石器

          ( 唐古・鍵考古学ミュージアム)

 

 

f:id:blogwakujewelry:20160313190345j:plain

 (1)干し柿と種

 

柿の学名には、ブドウと同じようにエトルリアからギリシャ、ローマに伝播した文化の流れが見られます。学名の「dios」はギリシャ語で「神聖な」であり、pyros]は「小麦」です。「dios pyros・神聖な小麦」つまり「神の食べ物」になります。柿が「神の食べ物」になるための理由がある時と場所は、イタリア、エトルリア時代なのです。後光射す山「CONCARENA]や写真(11)エトルリアの鶏頭にイメージを重ねるには、石刃(石包丁)は「半月型外磨刃」でなければなりません。打欠き模様「Chevron(Cheveron仏古語)」がギザギザの岩山や鶏頭に重なるのです。(ただし、柿の種にはありません。)この理由のため日本でも、八ヶ岳のギザギザの岩山と同じように、霊山と言われる山の山頂は岩山か、少なくても巨石、聖なる岩があるものです。

 また、「 柿の種」を神聖な「石刃(石包丁)」と結びつける観念は、南信州の「市田柿」に残り、正月に食べる「干し柿」は「種が多いほど縁起が良い」とされていたそうです。「神様」と「 柿の種」が結びつけば、日本中に「数え歌・神様の言う通り」があります。「鶏頭」と「大地の神」の結び付きは、「獅子舞」と「鶏頭楽」の結びつきとなり、岐阜県高山市の「高山祭(日枝神社・八幡神社)」などで舞われています。日枝神社の「山王祭」、大太鼓や神輿の上の鳥の「鶏頭」は「山の神」と結ばれています。

 

f:id:blogwakujewelry:20160316154513j:plain

(8)土製鶏頭(弥生時代後期);唐古・鍵考古学ミュージアム
 
奈良五條市に近い弥生遺跡・唐古・鍵遺跡の出土物を展示する「唐古・鍵考古学ミュージアム」には「土製鶏頭」が展示されています。「柿」と「鶏頭」は同じ地に伝わった事が解ります。そして、奈良五條市東阿田町では、今も山の神を迎える「御仮屋」・鳥居の両脇には「鶏頭花」が象徴的に飾られています。すなわち、迎える「山の神」とは「石包丁」や「CONCARENA]、「鶏頭」が表象する「大地の神」に他なりません。また「鶏頭花」はインド原産の花です。コーカサス地方からエトルリア、そしてインド、江南を経由して日本への道が浮かび上がりました。神話に置き換えれば「天孫降臨の道」?江南の痕跡は「鏡餅」に見られますが、次回にします。
 

 

f:id:blogwakujewelry:20160316154850j:plain

 (9)奈良五條市東阿田町「御仮屋」;市立五條文化博物館

   後ろに「念仏寺・鬼走り」の鬼面が見えます。

 

f:id:blogwakujewelry:20160316154932j:plain

 (10)「御仮屋」鳥居の両脇に飾られた紅白の鶏頭花

f:id:blogwakujewelry:20151208233200j:plain

(11)「CONCARENA]イタリア・「夜明けのゴルゴン」(参照);和久譲治製作

 

              お知らせ

ジュエリー文化史「パリの中世リバイバル」(参照1)・(参照2)でご紹介した、フランス第一帝政期のペンダントをプロモーションに展示します。ぜひご覧ください。

 

f:id:blogwakujewelry:20160317102626j:plain

                   2016S/S 1st Fair
‐Petit Fiori・Petite Collier et Paris‐

        ~プティフィオリ・プティコリエとパリ~

「     2016年3月23日(水)~3月29日(火)

       日本橋三越本店 本館一階アクセサリー

 

f:id:blogwakujewelry:20160320154110j:plain

 rodeia(ロディア);petit fiori

 幻のバラ「 Rodeia]  も限定1で復刻しました。こちらもぜひご覧ください。                         

© 2019 JOJI WAKU Blog. All rights reserved.