形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

From Caucasus region and Northern iran コーカサス地方より(4)

 

 

大地の恵み パンの表象(3)

グルジアGeorgia)のフラットパン(Flatbread)
 
 
 
基 本的に小麦や大麦を粉にして、水と塩で練った生地を焼いたものがフラットパン(Flatbread)です。人類はアフリカの地で、「細石石器」を作って、 自生する穀物を摘み取り、すり潰して粉にし、お湯と混ぜ合わせて食べるようになっていました。そして、「細石石器」を持ってアフリカを旅立ったのは、約4万 年前だと言われています。小麦の原産地であるコーカサス地方に、人類が「細石石器」を持って到達したのもその頃だと考えます。では、小麦粉を練った物を、 初めて火の中に入れてのはいつなのでしょうか?「形而下の石」は見つかりません。ただ分かるのは、BC5,600年頃と考えられている「黒海大洪水」の 後、フラットパン(Flatbread)が、幾つかのの地で焼かれ始めた事実です。「酵母パン」の歴史を見れば「メソポタミア」から始まったと、言えるのかもしれません。しかし、フラットパン(Flatbread)は同時期にエジプトでもサルデーニャ島でも現れています。熱した灰と小石の上で焼く初期のフラットパン(Flatbread)はエジプト文明にも現れています。また、サルデーニャ島のDNAを持った、約5,300年前の「アイスマン」(参照)は、イタリアとオーストリア国境のアルプスで見つかり、胃にはフラットパン(Flatbread)が残っていました。穀物を採集する人類と小麦は、約4万年前に出会っているのです。コーカサス地方、イラン北部のフラットパン(Flatbread)の歴史はもっともっと早かったはずです。フラットパン(Flatbread)から多くの歴史が浮かび上がります。先ずは、表象文化史的に大変貴重なグルジアGeorgia)のフラットパン(Flatbread)・「Tonis puri」から始めます。
 
 

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(1)Tonis puri;Wikipedia

 

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(2)Shotis puri;Royalty  Free photo stock

 

 

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(3)tone,torne or turne;Wikipedia

 

[ Tonis puri]は「ハレの日」(イースター、クリスマス、新年、誕生日、結婚式)に食べられるフラットパン(Flatbread)です。この独特な造形は、何の表象だとお思いになりますか?考えてみましょう。小麦と米、歴史全体の関係を知りたくて、ずいぶん遠回りをしています。もう少し、気長にお付き合いください。全体の関係が理解できると、歴史は、驚くほど解り易い姿を見せてくれるはずです。フラットパン(Flatbread)の[ Tonis puri]は「鏡餅」のルーツをを謎解く鍵なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

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