形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

From Caucasus region and Northern iran コーカサス地方より(7)

 

大地の恵み パンの表象(6)

グルジアGeorgia)のフラットパン(Flat bread)
 
 

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 (18)ミノア文明・舟(Minoan Ships);MINOANS ・Rodney Castleden著
 

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(2)Shotis puri;Royalty  Free photo stock

 
 
 吉祥寺・CAFE RUSSIA(カフェ ロシア)のオーナーシェフから、グルジア(Georgia)のフラットパン(Flatbread)について、数回のメールを頂きました。前回、訪問時、「Tonis puri」,「Shotis puri」(参照)の原義について質問した際、「調べてメールします。」と言って下さったのです。お忙しい中、お答えくださったオーナーシェフの人柄には、頭が下がります。そして今回のメールには、「Shotis 」の意味が「舟、小舟」だと書かれていました。胸が高鳴りました。頭の中に一枚のカード(神経衰弱ゲームの絵札)が浮かび上がります。それが、この写真 (18)ミノア文明・舟(Minoan Ships)です。コーカサス文明とミノア文明がリンクしたのです。グルジア語(Georgian)なのにグルジア語(Georgian)に原義がなく、「Laz語」でもなく、「Proto-Kartvelian]を調べ始めたところでした。このあたりの事は、後日まとめます。
黒海大洪水の後、コーカサス地方と西アジアで、「四角」が水に浮かぶ「大地」として表象される以前に、写真(D)の「蛇に守られた舟」の観念が存在したようです。このミノア文明期に作られたテラコッタは神聖な造形物で、ジージア王朝期の「ハレの日」のフラットパン(Flatbread)と同じ形状で、同じ観念を宿していると解釈できます。つまり、「Tonis Puri]はジージア王朝風タンドール「tone,torne or turne」で焼いたパンを意味し、「Shotis Puri」は「方舟」を表象していたのです。二つの名前は同じフラットパン(Flatbread)のようです。
 
写真「C]には、海洋民族らしからぬ「馬」が描かれています。サルデーニャ島の祭には「馬」と「カウボーイ」が欠かせない様に、海に進出する以前(「カプサ文化」・参照)から、「馬」は早い乗り物だと言う「観念」がこの民族にはあったようです。まだ他にも、コーカサス文明とミノア文明をリンクさせる「形而下の石」がありますので、ご紹介していきます。
今回の解釈を導いてくださった吉祥寺・CAFE RUSSIA(カフェ ロシア)のオーナーシェフに深く感謝致します。本当に有難うございました。
 
 
 最近食したパン

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(19)二種のチーズとマカデミアナッのバトン、チーズのフランスパン
   LE PAIN de Joel Robuchon
 
「Tonis Puri」,「Shotis Puri」の形にチーズを合わせたハチャブリ(Khacha Puri)に似ていたので食べてみました。フランスパンはもっと固く、しっかり焼き上げた方が好みです。そして、チーズはモッツアレの様に、もっとすっきりしていたら、より好みです。それにしても、こうした伝統的な形が、お店に並ぶことは嬉しいですね。日常が楽しくなります。
 
 

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