形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝(11)       国立西洋美術館

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(16)金製イヤリング(拡大)

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(16)金製イヤリング;エレトリア、エヴィア島、ギリシャ(BC475年~BC450年)

 

いよいよ最後の表象です。(16)金製イヤリングの下部、「豊饒の大地」に鎖でぶら下がっている「ホタテ貝」。このおまけみたいな表象はこれまで多くの「形而下の石」を、「羽子板、扇が導いたこと」のなかで積み上げてきました。下の写真や「朝顔」「蛇の目傘」「手の平」などです。もうそろそろ、私なりの解釈を述べてもいい頃かと思います。実はこの表象こそ、地中海文化圏で一番大切なものなのです。石刃由来「豊饒の大地」を守る「蛇」です。何故「ホタテ貝」が「蛇」の表象なのか、まずは写真を良く見て下さい。

 

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 (17)石刃(石包丁)からのイメージ;「羽子板、扇が導いたこと(12)]」参照

 

アフリカで何万年もの間、人類は石刃(石包丁)で自生していた雑穀を刈り取り、食料にしてきました。(「羽子板、扇が導いたこと(11)」参照)そして、たいせつな石刃(石包丁)の打ち欠き痕から「Chevron(Cheveron仏古語)」と「Me'andre(Meander・英)」の表象を引き出し、「Me'andre(Meander・英)=蛇に守られた大地」の観念をもつようになります。やがて、サルデーニャ島からイタリア半島に渡り、さらに、アイスマンの様にアルプスに向って北上した部族は「石刃の大地」を見つけます。(人類はこれより早く、コーカサス山脈・グルジュア(ジョージア)、Kheviで聖なる山塊と後光に出会っています。)稜線が「Chevron(Cheveron仏古語)」文様に打ち欠かれた、大きな岩山です。その形は刃を上向きに立てた石刃(石包丁)とそっくりなのです。「石刃の大地」に心惹かれ、ここに留まった人々は、さらに、神々しい「石刃の大地」を見ることになります。夜明けの後光です。打ち欠かれた稜線は光に干渉して後光を立ち昇らせます。「大地の神・ゴルゴン」の誕生です。「蛇に守られた大地」の「蛇」はこの時からナーガの形になり、「大地の神」の頭に宿ります。縄文土偶の頭部にある渦巻は「蛇」の表象で、土偶が「大地の神・ゴルゴン」であることを表しています。この「大きな岩山」の名称は「CONCARENA],このワードで検索してください「CONCARENA]の形や後光の写真が見られます。この岩山の麓には多くの「岩絵」があります。この地は地中海世界の「聖地」なのですが、「岩絵」が描かれたから「聖地」なのではなく、「聖地」だから「岩絵」を描いたのです。この「岩絵」は、私が表象の世界に没頭するきっかけになったものですが、より語られなければいけないのは「CONCARENA]の方なのです。縄文土偶の大半は、頭部の渦巻きが示すように「大地の神・ゴルゴン」です。何故なのでしょうか?稜線が「Chevron(Cheveron仏古語)」文様に打ち欠かれた「大きな岩山」が日本に存在したからです。それが「八ヶ岳」であり、「後光」で検索すれば、「CONCARENA]とそっくりな山の形や後光の写真が見られます。これより後、背に後光を持って表される人や像は「大地の神・ゴルゴン」の変容した姿か、「大地の神・ゴルゴン」の威光を借りるものになります。

 

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 (18) gorgonzora(ゴルゴンゾーラ)・「夜明けのゴルゴン」;製作和久譲治

gorgonzora(ゴルゴンゾーラ)はチーズで有名なミラノ北の街の名称でもあります。「zora」はスロベニア語に残り、「夜明け」を意味します。

 

 

 

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