形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

特別編 日本のゴルゴン (7)Camonica Valley岩絵の 鹿

狩られる鹿の神性

 

写真(50)の方がより分かり易いでしょうか、人々は両手を挙げて崇めるポーズをとっています。鹿の背には半身のゴルゴンが合体しています。よく見るとゴルゴンの後光が見えます。半人(神)半獣の概念が描かれた最初の絵(岩絵)ではないでしょうか。写真(49)は女神としてのゴルゴン、写真(50)は男の戦士となったゴルゴンに見えます。以下の写真においても、角が平衡の表象となっているのが女鹿で、雨の表象になっているのが男根を持つ牡鹿です。そして常に女鹿の方が大きく描かれています。女神が宿る女鹿故の概念が描かれている為の表現だと考えます。実際は角を持つのは牡鹿で、体も女鹿よりずっと大きくたくましいものです。女鹿に角はありません。

このようにゴルゴンが宿る鹿を崇拝するという概念は解ります。しかし一方では犬を伴って狩猟をしています。彼らにとって鹿は重要な食糧です。

この鹿狩りをしながら鹿を崇拝するー矛盾する行為を私達は知っています。

 

(49)Camonica Valleyの岩絵;CAMONICAVALLEY Emmanuel Anati KNOPP

 

(50)Camonica Valleyの岩絵;CAMONICAVALLEY Emmanuel Anati KNOPP

(51)Camonica Valleyの岩絵;CAMONICAVALLEY Emmanuel Anati KNOPP

 

中央女鹿の背に乗るものは分かりません。女神に表象だと思うのですが、まだ理解できる形で見つけていません。ご存じの方は教えてください。写真(49)にも乗っています。後の世に、初期キリスト教の表象として「十字架(平衡)を載せた羊」が出現します。同じ平衡の表象だとは思います。

 

(52)Camonica Valleyの岩絵;CAMONICAVALLEY Emmanuel Anati KNOPP

(53)Camonica Valleyの岩絵;CAMONICAVALLEY Emmanuel Anati KNOPP

捕獲した鹿を崇めています。

私たちが良く知る答えを確認してください。

北海道野生動物研究所、講義テキスト「アイヌとヒグマ」;犬飼哲夫氏書籍「ヒグマ」抜粋 

www.yasei.com

(54)アイヌ文字

 

アイヌ文字と言われるものは「雨」と「平衡」の表象のみの組み合わせで出来ています。「sheveron/平衡」の生まれた南フランスからの伝播と人の流れが確認できます。(参照1)

(参照2)

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