形而下の文化史

表象文化史・ジュエリー文化史・装飾文化史

 

特別編 日本のゴルゴン (6) 弥生人の生と死の概念

 

直弧文・弧帯文の意味

 

(45)和久ノート

 

写真(42)「清水風遺跡・鳥の止まる楼閣;神社建築文化財の探訪<TIAS>ブログ掲載: 京都市埋没文化財研究所 中谷正和氏メモ」(参照)を見ていて、渦巻表象だけを持つ掘っ立て小屋は「お産小屋」だと思いました。しかし「鳥葬の塔」にも冥界の女神イシュタルの表象の他に生命誕生の表象・渦巻が付いています。これはどうしてなのか考えました。赤土を遺骸や石棺にかける風習は旧石器時代から続いています。多血症気味で回転しながら赤く生まれる赤子を見ていて、命が去る時も同じ様に赤くしたのだと思いました。赤くして、生まれる時と同じように回転の渦巻もつけるのです。人間の生と死は同じ様に来て去るだけの等価の出来事だったのでしょうか。違うのは冥界の女神が付き添う事だけです。そう考えると「死」は「渦巻」と「冥界の女神」の表象で表せるのです。

この考えに至った瞬間に「直弧文・弧帯文」の意味が鮮明になりました。「渦巻」と「冥界の女神」の表象なのでした。

 

(46)直弧文 熊本県立古墳館

(47)直弧文鏡 Wikipedia

 

 

 



 

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